生体エネルギーと代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

1 AMPは、高エネルギーリン酸化合物である。

なぜ違う: 高エネルギーリン酸化合物と呼ばれるのは、加水分解時に大きな自由エネルギーを放出するATPやADP、クレアチンリン酸などである。リン酸を一つしか持たないAMPは該当しない。

2 ATP合成酵素は、ミトコンドリア外膜に存在する。

なぜ違う: ATP合成酵素は電子伝達系と同じミトコンドリア内膜に存在する。外膜は小分子を通す孔があり、水素イオンの濃度勾配を保てないため合成の場にならない。

3 ATP合成酵素は、細胞内外のCa2+濃度勾配により駆動される。

なぜ違う: ATP合成酵素を回すのは内膜を挟んだ水素イオンの濃度勾配であり、カルシウムイオンの勾配ではない。電子伝達系が勾配を形成する。

4 電子伝達系では、二酸化炭素が産生される。

なぜ違う: 二酸化炭素はクエン酸回路やピルビン酸の脱炭酸反応で生じる。電子伝達系の末端では酸素が電子と水素イオンを受け取り、水が生成する。

5 脱共役たんぱく質(UCP)は、ミトコンドリア内膜に存在する。

正解: 5

要点: 脱共役たんぱく質はミトコンドリア内膜に存在し、プロトン勾配を熱として散逸させる。

電子伝達系はミトコンドリア内膜にあり、水素イオンを膜間腔へ汲み出して内膜を挟んだ濃度勾配をつくる。脱共役たんぱく質は同じ内膜に存在し、この勾配を利用して水素イオンをATP合成を経ずにマトリックス側へ戻すため、酸化とリン酸化が切り離されエネルギーが熱として放出される。褐色脂肪組織の熱産生を支える仕組みである。

この問題に出てくる用語

関連キーワード: ミトコンドリア・ATP合成・脱共役たんぱく質

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出典:第40回管理栄養士国家試験(午前の部) 問20/厚生労働省ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版)) 出典資料: 第40回管理栄養士国家試験 試験問題(午前の部)