食品の化学的変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

食べ物と健康

1 油脂の酸化は、熱により抑制される。

なぜ違う: 加熱はむしろ油脂の酸化を促進する。温度が高いほど過酸化物の生成と分解が速く進み、光・酸素・金属イオンとともに酸化を進める要因として働く。

2 油脂の過酸化物価は、油脂中の遊離脂肪酸量を示す指標である。

なぜ違う: 過酸化物価は酸化の初期に生じるヒドロペルオキシドの量を示す指標である。遊離脂肪酸量を示すのは酸価であり、二つの指標の意味が入れ替わっている。

3 トランス脂肪酸は、植物油脂への水素添加により生じる。
4 N─ニトロソアミンは、食品に含まれる第二級アミンと亜硫酸が反応することで生じる。

なぜ違う: N─ニトロソアミンは、第二級アミンと亜硝酸が酸性条件下で反応して生じる。亜硫酸との反応ではなく、食肉製品に用いる発色剤との関連で問われる化合物である。

5 ベンゾ[a]ピレンは、魚を煮ることで生じる。

なぜ違う: ベンゾ[a]ピレンは直火焼きや燻煙など、高温で有機物が不完全燃焼する過程で生じる多環芳香族炭化水素である。水中で加熱する煮る操作では生成しない。

正解: 3

要点: トランス脂肪酸は、液状の植物油に水素を添加して硬化油を製造する工程で生じる異性体である。

不飽和脂肪酸の二重結合は本来シス型をとるが、植物油に水素を添加してマーガリンやショートニングの原料となる硬化油を製造する工程では、一部の二重結合が異性化してトランス型になる。反すう動物由来のものも存在するが、加工に由来する生成経路として問われるのは水素添加である。生成の仕組みを問う設問である。

関連キーワード: 油脂の酸化・トランス脂肪酸・有害生成物

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出典:第40回管理栄養士国家試験(午前の部) 問50/厚生労働省ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版)) 出典資料: 第40回管理栄養士国家試験 試験問題(午前の部)