妊娠期の母体の生理的変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

応用栄養学

1 1回当たりの心拍出量は、減少する。

なぜ違う: 妊娠中は循環血液量が増加し、1回拍出量も心拍数も増すため、心拍出量は増加する。母体と胎児への血流を確保するための生理的な適応である。

2 糸球体濾過量は、減少する。

なぜ違う: 腎血流量の増加に伴って糸球体濾過量は増加する。このため血中の尿素窒素やクレアチニンはむしろ低下し、尿中への糖の排泄がみられることもある。

3 血中ヘモグロビン値は、上昇する。

なぜ違う: 循環血漿量が赤血球量よりも大きく増えて血液が希釈されるため、ヘモグロビン値やヘマトクリット値は低下する。これは生理的な水血症と呼ばれる変化である。

4 血中アルブミン値は、上昇する。

なぜ違う: 血漿量の増加による希釈のため血中アルブミン値は低下する。膠質浸透圧が下がることが、妊娠中に浮腫が生じやすくなる一因ともなる。

5 血中トリグリセリド値は、上昇する。

正解: 5

要点: 妊娠が進むと脂質の動員が高まるため、血中のトリグリセリド値は非妊娠時より上昇する。

妊娠中はインスリン抵抗性が高まり、母体が糖よりも脂質をエネルギー源として利用しやすい状態になる。これに伴って脂肪組織からの脂質動員と肝臓でのリポたんぱく質産生が増え、胎児へのグルコース供給を確保する方向に働く。その結果、血中のトリグリセリド値は妊娠週数が進むにつれて上昇し、総コレステロール値も高くなる。

この問題に出てくる用語

関連キーワード: 妊娠期・生理的変化・脂質代謝

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出典:第40回管理栄養士国家試験(午前の部) 問87/厚生労働省ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版)) 出典資料: 第40回管理栄養士国家試験 試験問題(午前の部)