K大学の学生対象の調査から、野菜摂取量が少ないことが明らかになった。この結果を踏まえ、学生食堂において野菜摂取量増加のための支援を行うことにした。支援内容と、社会的認知理論を構成する要素の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

栄養教育論

1 野菜を100 g以上含む料理や定食のサンプルに、POP表示で野菜が多いことを示す。 ── 結果期待

なぜ違う: 料理見本に野菜量を掲示する支援は、選ぶ場面で判断材料を示す環境面の働きかけである。結果期待は、その行動をとれば健康状態にこうした良い変化が生じるという見通しを指す概念で、含有量の表示とは別物である。

2 野菜摂取不足を簡易に推定できる装置を設置し、定期的に測定してもらう。 ── 観察学習

なぜ違う: 摂取状態を測って自分の現状を繰り返し把握する支援は、自分の行動を点検し調整する自己制御に近い。観察学習は他者の行動とその結末を見て取り入れる過程を指すため、測定機器の設置とは別の働きである。

3 野菜摂取と健康をテーマとしたチラシを作成し、配布する。 ── 自己制御

なぜ違う: 知識をまとめた印刷物を配る支援は情報提供にとどまる。自己制御は目標設定や記録を通じて自分の行動を自ら調整していく過程を指すもので、受け取るだけの資料ではその過程が生じにくい。

4 学生が出演した、野菜を使った簡単レシピの調理体験動画を、デジタルサイネージで流す。 ── 自己効力感
5 野菜摂取量の現状と目標量を書いたポスターを掲示する。 ── 相互決定主義

なぜ違う: 現状値と目標値を示す掲示は、情報提供と環境面の働きかけにあたる。相互決定主義は個人・行動・環境が互いに影響し合うという理論全体の枠組みを表す概念であり、個別の支援手法を指す語ではない。

正解: 4

要点: 学生食堂で同じ立場の学生が調理してみせる映像は、自分にもできそうという見込みを高める働きかけである。

社会的認知理論の自己効力感は、その行動を自分でも実行できるという見込みを指し、身近な他者が実際にやってみせる場面を見る代理的経験によって高まる。同じ大学の学生が出演して野菜を使った簡単な調理を実演する映像を、学生食堂の画面で繰り返し流す支援は、見た学生にこの手順なら自分にも再現できそうだと感じさせる働きかけであり、支援の中身と示された構成要素が正しく対応している。

この問題に出てくる用語

関連キーワード: 社会的認知理論・自己効力感・食環境づくり

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出典:第40回管理栄養士国家試験(午後の部) 問99/厚生労働省ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版)) 出典資料: 第40回管理栄養士国家試験 試験問題(午後の部)