70歳、女性。アルコール性肝硬変(非代償期)。食事摂取不良、低栄養、肝性脳症のため入院した。肝性脳症改善後、低血糖がみられたため、管理栄養士による栄養評価に基づき、LES(late evening snack)を含む食事療法が開始され、肝不全用経腸栄養剤が処方された。食事摂取および経腸栄養剤の服用は良好である。食事療法を開始した日から3週間後までの検査値および病態の変化として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。

臨床栄養学

1 羽ばたき振戦の出現

なぜ違う: この所見は肝性脳症が悪化したときにみられる。脳症が改善し栄養療法が奏功している経過では、出現ではなく消失していく方向に向かう。

2 上腕筋囲の減少

なぜ違う: 十分なエネルギーとアミノ酸が補われれば体たんぱくの異化が抑えられ、筋肉量を反映する指標は維持または改善する。減少は栄養療法が奏功していない場合の変化である。

3 血中アルブミン値の低下

なぜ違う: 栄養状態が改善すれば血中アルブミンは上昇に向かう。半減期が長いため変化は緩やかだが、低下していくのは想定される経過と逆である。

4 早朝空腹時低血糖の改善
5 フィッシャー比の低下

なぜ違う: 分岐鎖アミノ酸を含む栄養剤を用いるとこの比は上昇する。低下は肝機能の悪化や栄養療法の不足を示す変化であり、経過と逆である。

正解: 4

要点: 就寝前の補食によって夜間のエネルギー不足が補われ、早朝空腹時の低血糖が改善する。

非代償期の肝硬変では肝臓のグリコーゲン貯蔵が乏しく、一晩の絶食でも健常者の数日の飢餓に相当する代謝状態になる。就寝前におよそ200 kcalの補食を摂ると夜間のエネルギー不足が補われ、体たんぱくの異化が抑えられて早朝空腹時の血糖低下が改善する。分岐鎖アミノ酸を含む肝不全用の栄養剤を用いると効果が得やすい。

この問題に出てくる用語

関連キーワード: 肝硬変・LES・分岐鎖アミノ酸

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出典:第40回管理栄養士国家試験(午後の部) 問126/厚生労働省ウェブサイト(公共データ利用規約(第1.0版)) 出典資料: 第40回管理栄養士国家試験 試験問題(午後の部)